Trash Basket Notebook
--page01:The Coffee Shop

休日の朝9時、いつものように散歩を始める。
休日、と言ってもバイトを辞めてからずっと休日だが。まぁ、今日は日曜。
空は雲ひとつ無い晴天。どちらかと言えば曇りの方が良かったが、雨よりはましか。
今日も暖かくなりそうだ。
昨日寝るのが遅かったせいか、まだ脳がしっかりと起きていない。
気がつくと、見知らぬ交差点に立っていた。
「ここって……?」
あまり見かけない形だ。
X字型っていうのか、少し複雑な形をしている。とりあえず、正しいクロスでは無かった。
周りの建物もレンガの……なんっていうか、イギリス? 世界名作なんたら劇場に出てくるような年季の入った建物だった。
自分が立っているのは、Xの下の三角の一番上。やっぱりややこしい。
正面――つまり、向こうの▽の一番手前――には、深緑色の小さな店が建っていた。
交差点側に大きなガラスの窓がある。
そこから見える店内には、洋菓子店に置いてあるような道具がいくつか見えた。
とりあえず、左側の道まで、横断歩道をわたる。
なだらかなレンガの歩道を少し上ると、その洋菓子店の真横に来た。
「猫の額のよう」と言う言葉がよく似合う、小さな店だった。
そのまま歩くと、左側にはまだまだ建物があるが、右側、洋菓子店に続く側には建物が無くなり、代わりに公園になっていた。
あまり整備されていないし、芝も伸び放題だが、その向こうに大きな河が見えた。
ということはXの交差点の右上の道路は橋だったのかもしれない。
その河の向こうには大きな街があった。黒猫と魔女が宅配事業をする映画に出てくるような街だ。
ともかく、その道を歩く。
気がつくと、小さなカフェの前に立っていた。
左を向くと、さっきまで自分の歩いていた道があって、右を向くと、このまま歩いていくはずだった道がある。
俺はテラス席の間を歩き、吸い寄せられるようにその店に入っていった。
ハイ、前に日記で書いたヤツですね。
本当はこの後主人公がこの店で働き始めたりする予定だったのですが、長くなりそうだし疲れたのでやめました。
いつもはワードで作ってるのですが、これはブログの入力フォームで書き上げました。
(c) 2006 tanaka.